大学1・2年生のためのすぐわかるドイツ語 読解編

本書はタイトルにある大学生のみならず、ドイツ語の基礎文法を終えた人が次に取り組むべき、読解、独文解釈の参考書です。スタートから2冊目のドイツ語の参考書としてベストでしょう。事実、私もドイツ語を独学でゼロからはじめて、本書を２冊目に使用しました。単語のレベルは、人によってはやや高度・難しいと感じる人もいるかもしれません。ですが、註釈もあり、使い方次第で、何の問題もありません。一回の学習の中では、比較的短い独文と、文法的に目を向けるべきポイントの設問、単語の註釈や訳があります。加えて、解説、読解のポイントなどです。使い方としては、1．文章を読む2．文法の設問に答える3．単語を辞書で引くor本書の単語注をみる（辞書で引いた方が実力は上がるでしょう）4．自分なりの訳文を書いてみる5．訳文、解説を読んでみるまた、毎回、独文を書き溜めて行き、暗記・暗唱すれば、復習や独作文などにいいでしょう。くれぐれも、やりっぱなしは止めましょう。改善して欲しい点もいくつかあります。まず、見開き2ページで学習を完了させる構成のせいか、設問のすぐ下に答えや、訳文が見えてしまうし、何かで覆うのも難しいということです。いっそ、設問や問題文もしくは解答、訳文を、別冊にしてもいいと思います。また、他のレビューアー様もおっしゃるとおり、音声をCDもしくはダウンロードで、つけて欲しいところです。さらに、本書のタイトルですが、大学生以外のドイツ語学習者全般にも向いていることを、副題にでもいいので明記して欲しいです。これだけの良書なのに、タイトルから、一部の限定された人向けの学参扱いされて、公立の図書館ではほとんど所蔵されていません。難解な読解本ばかりがあり、そこまでのハシゴとなる良書が少ないので、本書にはぜひ絶版にならず残って欲しいです。