マイケル・ジャクソンの秘密

マイケル・ジャクソンの実母、キャサリン・ジャクソンが、１９８９年までのジャクソンファミリーについて綴っています。日本語版でのタイトルが「マイケルジャクソンの秘密」となっていて、マイケル・ジャクソンだけについて、母が語っている本かと思ってしまったので星４つにしました。（原著名は「My Family, the Jacksons」となっています。）現在は発刊しておらず、入手困難となっているのが残念です。父親のジョーが熱心に音楽をしこんだ話は有名ですが、それに加えて母親のキャサリン自身も子どもたちが音楽活動をすることに大きな夢を持ち、子どもたちを後おししていたことがこの本のいたるところから伺えます。そればかりか、この本の最後では、はやくも孫たちがプロとして活躍することを夢見ています。彼女自身が女優か歌手になりたかったそうです。９人の子どもたちそれぞれのエピソードが書かれており、彼らへの等しい愛も伝わってきます。幼いころのマイケルは小さな虫みたいに逃げ足がはやく、叱られそうになるとベッドの下に逃げ込んで出てこなかったそう。家族以外の人前ではじめて歌ったのはガーネット小の発表会で「エブリ・クライム・マウンテン」で６歳のとき。（他著作者の本では幼稚園のとき歌ったとなってましたが、母親の記憶のほうが正しいのではないでしょうか？）ゲイリーの家では３段ベットで寝ていて、一番上にティトとジャーメイン、２段目にマーロンとマイケル、一番下にジャッキーひとり。寝るまでに１時間くらい兄弟で話をしたそう。のちの、「子どもたちといっしょに寝るのがなぜいけないんだ。」というマイケルの発言の意味が理解できる気がします。エンシーノの家を１９８３年にマイケルの意見をとりいれて全面改装をした時の、マイケルの屋根裏部屋の写真が紹介されています。ネバーランドをつくるまえから、マイケルがインテリアにこだわっていた様子がうかがえます。１９８７年のＢＡＤ日本ツアーには、キャサリンも同行しており、その時の様子も書かれています。また、マイケルの音楽活動、食生活、整形、結婚相手、年上や年下の友達についての母親の思いがごく率直に書かれています。マイケルのことを心配しながらも、最終的にはマイケルのやることのほとんどを信頼している気持ちが読み取れます。マイケルのファンの方なら、読んでみて決して損のない内容です。